2022年5月30日に放送されたラジオ大阪
原田年晴かぶりつきマンデー
【ぶらりご近所かぶりつき】文字起こし
聞き逃した方、是非どうぞ!!
原田アナ「私のご近所にいらっしゃるような方々にスタジオにお越しいただく『ご近所かぶりつき』でございます。
今日はほんまは遠いんでございますけれども、私の身近な方でございます。まずは落語家の桂九雀さんでございます」
桂九雀「こんにちは、おじゃまいたします」
原田「よろしくお願い致します。ほんまにTシャツ1枚のラフ〜な格好で来てくださいました。ありがとうございます(笑)」
九雀「ラジオやから衣装に凝らなアカンということで、一応セイソウでございます」
原田「何の正装ですか」
九雀「家の清掃をしたあとで来たから」
原田「(爆笑)!
そして、私あの〜指揮を年1回ハラヤンとして頑張っているというお話をこの番組でもさせていただきましたけれども、そのセントシンディアンサンブルという吹奏楽団があるんですが、その指揮者でいらっしゃいます福島秀行さんにも来ていただきました」
福島「こんにちは〜福島です。よろしくお願いします!」
原田「私の(指揮の)師匠でございます」
福島「いえいえ」
原田「色々教えていただきまして。今奈良県の吹奏楽連盟の理事をやってはるんですね?」
福島「理事長ですね」
原田「理事長!最高の方ですよ。のぼりつめましたね〜。
なぜこのお二方何で来ていただいたかと言いますと、九雀さんは落語家です。で福島さんは吹奏楽。この落語と吹奏楽を合わせたのを一緒にやるイベントをされるということで、今日は来ていただきました。
九雀さん、この”吹奏楽落語”というものは、これが初めてではないですよね?」
九雀「そうなんですよ、実は10年近く前にですね”吹奏楽落語「忠臣蔵」”というのをやりまして」
原田「あの”忠臣蔵”を落語と吹奏楽で話をうま〜く作っていったというのがあったんですよね」
九雀「色んな会場でやってるんですが、原田さんも大阪繁昌亭でやった時に観に来てくれはって…ご招待したのでお金は払ってもらってないんですが」
原田「細かいことを言わんでよろしい!(笑)あなたが”来い”と言うから観に行ったんです!!」
九雀「それが、えらい感動して帰っていただいて」
原田「これはスゴイ!!と思ったんですよ。こんなに忠臣蔵を分かりやすく音楽と落語でちゃんと筋道立てて話をしてくれる、これがオモシロイんですよ!これは各地でやったらどうですかと言ったら本当にあちこちから声がかかったんですよね」
九雀「東京、名古屋、姫路、色んなところでやらせていただいて、原田さんのご紹介で障がい者フェスティバルにも呼んでいただいたりね」
原田「ぜひやってくださいとお願いをしたんですよ」
九雀「で、まぁ吹奏楽落語、続いて第二弾、第三弾もたのんまっせと無責任に言う人が多かったんですけれども、そないできませんやん」
原田「それは難しい!あんなのはすぐには出来ない」
九雀「ぶっちゃけた話、ムリやと思ってたんですよ。それがひょんなことからこれがやれるようになったと。」
原田「今回は何という・・・?」
九雀「今回は江戸落語の超有名な人情噺『芝浜』というのを吹奏楽でやってみようということで」
原田「この芝浜というのはどんなお話しなんですか」
九雀「芝浜というのはですね、酒飲みでどうしようもない魚屋がおるんですよ。仕事もせぇへん。それがひょんなことから50両の財布を江戸の芝の浜でね、拾うわけですよ」
原田「芝というと東京に”芝”というところがありますよね、港区、東京タワーのすぐ隣辺り」
九雀「そうです!その辺りで拾うんですが、それが次の日に目が覚めたら夢やとおかみさんは言い張るんですよ。あんた夢見ただけですよ、と。で、そこからは魚屋心入れ替えて働き始める。そして3年後におかみさんから衝撃の事実を知らされる。
続く・・・」
原田「!!?? その衝撃の事実って何なんですか?」
九雀「いや、それ言うてしもたらみんな来ないし(笑)」
原田「あ、そうか!」
九雀「これ一番大事なとこ。ネタバレ危険てやつ」
原田「言うかなぁと思って振ってんけど、さすがに言いませんなぁ(笑)
え〜、そういう『芝浜』という有名な落語を吹奏楽とやるということですが、福島さんこれをどのように音楽と絡めていくんですか?」
福島「もともと江戸落語って、上方落語と違ってハメモノがないんですよね」
九雀「上方落語では落語の途中に三味線や御囃子が『その道中の陽気なこと〜』と言って御囃子が入ったりするんですが、江戸落語では基本的には特殊な場合を除いて御囃子は入らない」
福島「御囃子が入る演目を”ハメモノ”というんですよね」
九雀「”はめ込む鳴り物”を略して『ハメモノ』と言うんですが、このハメモノ入りは関西ではナンボでもある」
原田「そうですね、三味線太鼓の音を『サァ船が出るぞ〜♪』と♪ドンドンドンとやりますよね?」
九雀「サスガですねぇ〜、”青菜”を一席習得しただけのことはありますねぇ」
原田「実は教えてもらったんですよ」
九雀「え、この番組でやってないの??ぜひぜひ!一席やってみてください」
原田「(落語口調で)『植木屋はん、あんた柳陰(やなぎかげ)やってか』」
九雀「お!覚えてる、覚えてる!素晴らしい(笑)
ということで、東京の落語では基本的に音は入らないんですけれども、何故やることになったかというと…。
福島さんからちょっと説明してもらいましょか」
福島「吹奏楽の作曲家で有名な方がおられて、清水大輔さんという方とたまたまお知り合いになることがありまして。その方とちょっとお食事をしているときに、たまたま九雀さんと一緒だったんですよ。わりと脈絡がない状態で一緒だったんですね。」
九雀「私、食事誘われたんですけど、いやいや、音楽性の違いで揉めてもイカンからやめときますわと言って」
原田「何の音楽性やねん(笑)」
九雀「そしたら音楽性の違いはなくてですね〜、それどころか清水さん落語にエライ詳しかったんですね」
福島「この清水大輔さんというのは吹奏楽の人気作曲家なんですけれども、どちらかというと華やかなハリウッド映画のスターウォーズとかね、そんな感じのすごくカッコイイ曲を作られる方なんですよ。と思っていたのに、お話しをしたら『実は私は演芸が好きで演芸場に行って落語も聞いてるんです』と」
原田「へぇ〜!」
福島「全然作風と違いますねぇ、ていう話で。そして『落語に吹奏楽の音楽をつけるというのが一生の夢なんです』と突然仰ったんです」
原田「え、ちょっと待ってください。福島さん、もう先にやってるじゃないですか。先駆者じゃないですか」
福島「そうそうそう、そうなんですよ。私らもうすでにやってますよって話で。先生、ほんとに書いてくれたら僕らやりますよって言ったら『じゃあ書きます』って!」
原田「え!その清水先生が!」
福島「そう、その場で(笑)」
九雀「で、まぁ東京の落語を聴いてはる人やから、面白おかしい噺に曲つけるとかは考えておられないと思うから、おそらく・・・例えば”芝浜”とかですかね〜?といったら『そう!まさにそうです!』と仰って。想定しているネタが芝浜だったと」
原田「え!ということは何もかも話がパッパっと一致したわけなんですね」
九雀「はい〜そうなんです」
原田「もうやらなければならない〜となったわけなんですね」
九雀「そう、ものの10分ぐらいで(笑)構想から企画から」
原田「10分で!早いですねぇ〜!!」
福島「そしてまた、”芝浜”というのは江戸落語なので、本来九雀さんのレパートリー、演目にはないハズなのに」
原田「もともと数少ないですからね」
九雀「ほっといてください(笑)」
福島「いや、やれるネタは日本で一番多いと言われていますよね」
原田「あ、そうなんや!」
九雀「数はおおいんですよ(笑)」
福島「で、なんと桂九雀さんは江戸落語の”芝浜”を江戸弁でやったことが実はある!という」
原田「エぇ〜!!」
九雀「これは何でかと言いますと、私は原田さんより一つ下なので1年半前の12月に還暦を迎えた時にこれからは落語は趣味でやるぞ!と。やりたいネタをやりたい時にやりたいようにやるんだ!と宣言したんですよ。ほいで、やりたいのはまず江戸落語なんですよ。普通商売では上方落語しかできないわけでしょ。ところが、やっぱり江戸落語ならではのネタがいくつかあるわけ。で、特に代表的なのが『芝浜』なんですよ。オチの台詞がもう江戸弁でえぇ台詞なんですよ」
原田「どんな台詞ですか」
九雀「・・・っ、続く〜〜〜〜(笑)」
原田「(笑)もう一息っやったのになぁ」
九雀「あぶない、あぶない(笑)誘導尋問に引っかかりそう。これ大阪弁でしたら元も子もない。第一、芝の浜は江戸ですから大阪の落語ではできへんでしょ。だから江戸落語でやるのをずっと温存してたのを60歳の誕生日にやった。その半年後にその清水さんと出会ったんですよ」
原田「またこれは奇遇ですねぇ〜!何もかもが奇遇ですねぇ」
九雀「その時の台本がありますから、それを元に曲をつけてくださいと。めちゃくちゃ偶然が重なりました」
原田「それで、これね、6月26日(日)奈良は大和高田のさざんかホール、大ホールで行われるということですが、もう練習は始まってますか」
福島「そうですね、話がトントン拍子に進んで清水さんがじゃあ曲書きますと、実際書き上げていただいて。3月ぐらいですかね、3月終わりぐらいに届いたんです。そして、音出ししてみたら、これがまたしみじみとした良い曲で!もう九雀さんに入っていただいて練習何回かやったんですけど、そのオチに至るぐらいのところは涙が出るような」
原田「え、その涙が出るようなオチってどんなオチなんですか」
九雀「っうーん(笑)誘導尋問するねぇ(笑)もう弁護士にならはったら?」
原田「裁判所やないねんから(笑)。で、いい雰囲気になってるわけですねぇ」
福島「もう感動しましたね。ぼくは指揮させていただいてるんですけど、演奏してるメンバーの人らも「なんか、ほんと涙出ますねぇ」とみんな言いますねぇ、口々に。」
原田「これはなかなか気になりますね。その音楽と、落語だけやったらね、九雀さんの落語だけやったら知れてるけども(笑)そこに音楽が合わさると相乗効果といいますか、下手な落語でもクラっと(笑)」
九雀「待ちなはれ(笑)ちょっと今日はゲストやから(笑)この番組ヘビーリスナーやのに。昔から全部聴いてたのに。」
原田「九雀さんとはね、昔『ワイワイじゃーなる』という番組をラジオ大阪でやってはって、私その前の番組をやってたんですよ。その後を九雀さんがやっててその番組と番組を繋ぐ5分間ぐらいのクロストークをやっていたときに九雀さんとずっと話してまして。」
九雀「クロストークが一番聴取率が良かった(笑)」
原田「ほんまなんですよ。それで最後九雀さんがクラリネットを吹いて番組が終わっていくという。そのクラリネットがまた、ねぇ」
九雀「これは放送に流してはいかんレベル(笑)ラジオ大阪の電波の隙間に(笑)」
原田「それで、クラリネットを吹かれるので福島さんと繋がって」
九雀「紹介してくださったのが原田さん。奈良でこんな活動している吹奏楽団があると」
福島「そうですね」
九雀「恩人なんですよ。今回の吹奏楽落語を作ったのが原田さんと言っても過言ではない(笑)」
原田「私です!(笑)」
原田「え〜、イベントの紹介です。桂九雀さんとシンディが吹奏楽落語という、『芝浜』です。これほんとに江戸落語の名作です。この芝浜を音楽と落語、最後はもうみなさん泣いてしまいそうな、そんな感じになるとのことです。日にちの方が、6月26日(日)です。奈良は大和高田です。これ、大和高田は最寄り駅はどこになりますか」
福島「JR和歌山線 高田駅から徒歩4分、近鉄大阪線 大和高田駅から徒歩10分、近鉄南大阪線 高田市駅から徒歩15分の3つですね」
原田「そのさざんかホール、大ホールですから、どれぐらいお客さん入るんですか」
九雀「1000人ぐらい。」
原田「えー、すごい」
九雀「吹奏楽団が並ぼうと思ったら、50人ぐらいいてはるからどうしても大きな舞台がいるんですね。舞台50人乗るのに客席30人限定てのはありえない(笑)客席も大きくないとあかんですよね」
原田「そうですよね。6月26日、日曜日ですから行きやすいと思います。ぜひ足を運んでください。開演は午後2時です。料金の方が一般1,000円です。安い〜!!これは安いです。一般1,000円で多分感激して帰ってこられるんじゃないかというような催しです。とくに奈良県の方は行きやすいと思いますんで。これチケット取ろうと思ったらどうすればいいんですか」
福島「はい、チケットはさざんかホールの窓口でしか販売していないんです。ネットでは販売していないんです、が!セントシンディアンサンブルのホームページを見ていただいたら予約が可能になってます。窓口で購入するのはさざんかホールのみなんです」
原田「なるほど。さざんかホールへ行っていただかないと」
九雀「それはなかなか大変なので、シンディのホームページから」
原田「一度、セントシンディとカタカナで検索していただいて、『芝浜』、行っていただけたらなと思います」
九雀「原田さんのようにカタカナが苦手な方は、”桂九雀”で検索していただいても私のホームページから購入できます(笑)どちらからでも大丈夫です。原田さんもたまにはお金払って聴きに来てくださいよ」
原田「千円ぐらい払いますよ(笑)払ったらいいんでしょ!!(笑)ということで、6月26日です。みなさんのお越しをお待ちしております。桂九雀さんと福島秀行さんでした。」
九雀「ありがとうございました」
福島「ありがとうございました」

posted by shindy at 08:40|
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